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2003.01.20

インダストリアルデザインによる新しい人間性の発見

東京国立近代美術館(工芸館、本館)で開催されている「[クッションから都市計画まで]ヘルマン・ムテジウスとドイツ工作連盟: ドイツ近代デザインの諸相」展(2003年1月18日−3月9日)のパンフレットにあった言葉。

組織(1907年10月設立のドイツ工作連盟のこと)の目的は、芸術と産業が積極的に協力し、ドイツにおける様々な製品の質を向上させることにありました。同時に、それによって当時の社会問題を解決し、人間性の新しい段階を切り開くことも意図されています。

思うに、当時は産業革命を経て、インダストリアルデザインが興った時期。人びとが触れるものの多くが、工業生産物としてもたらされるようになると、当然、その過程に関わる人たちも、自分たちの行為こそが世界に形を与えているのだという強い自覚にあったのではないでしょうか。

情報革命と呼ぶに値するものがあるとするならば、当時のドイツのインダストリアルデザインの担い手たちが志したような、人間性の新しい段階というものを、どのように想定すべきなのでしょうか。

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2003.01.18

オーストラリアのブロードバンド事情: イニシアティブの不在がもたらす展開の遅れ (Forthcoming, GLOCOM Review)

インターネットの高速化、あるいは「ブロードバンド化」は、多くの国で情報化の次の課題として認識されるようになっている。その背景には、ブロードバンドインターネットが可能にする電子的な経済活動を刺激し、その国の経済活動全体への好循環をもたらそうとする狙いや、国民の情報リテラシーを高め、国際的な競争力を高めようとする狙いなどがある。

しかし、ブロードバンド化という点では、インターネットの立ち上がり期に世界をリードしていたアメリカ、ヨーロッパよりも、東アジアや北ヨーロッパの諸国が、世界の他の地域をリードする傾向がある。本稿で取り上げるオーストラリアも、インターネットそのものの普及は進んでいるが、ブロードバンドの進展という視点からみると、必ずしも進んでいるとは言えない状況にある。

もちろん、政府、通信事業者、利用者は、いずれもブロードバンドはオーストラリアの将来に取って重要な要素だと考えており、ブロードバンドが不要だと思われているわけではない。それではなぜ、「インターネット先進国」の一つであったオーストラリアで、ブロードバンドの普及が進まなかったのだろうか。

本稿では、その原因を、通信事業を全面的に自由化に求めている。通信事業の自由化により、通信産業における政府の役割は、免許制度や事業者義務といった産業の枠組み維持や、消費者保護スキームの提供といった最小限のものにとどめられた。反面、通信産業の統括は、事業者間の協力と、個々の事業者の私企業としての判断に大きく委ねられることになった。

この仕組みは、音声やこれまでのデータ通信サービスの提供という点では十分有効に機能していたと思われる。しかし、新しい投資を必要とするブロードバンドという分野においては、見えない需要や、不採算地域へのサービス提供のコストが足かせとなり、事業者ににはブロードバンドに乗り出す積極的な理由づけが見出せない。一方で、政府は、通信産業を対極的な立場から監視する立場にあり、ブロードバンドネットワークを展開することは、事業者の経営的な判断に委ねるほかない。

本稿では、通信の自由化後の役割分担のはざまで、ブロードバンドという新規分野へのイニシアティブが欠如してしまったことが、オーストラリアのブロードバンド普及が進まなかった大きな原因だと結論づけている。

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2003.01.01

ホットメール、ヤフー、スパム送信用の登録をシャットアウト

Hotmail, Yahoo! erect roadblocks for spam sign-ons, The Register

スパムメールは、ホットメールやヤフー!などの無料メールアカウントから送信されることが多い。しかも、これらのアカウントは、mmail7777jpとかjkb0001のように、機械的に生成されたということを伺わせる文字の組み合わせになっていることが多い。

メールソフトの設定によっては、受信したメールを「友人」「会社」「彼女」などと分類して、別々のフォルダーに振り分けたり、優先度を変更したりできる。この機能を利用すれば、スパムメールを、自動的に「ゴミ箱」フォルダに振り分けることもできる。しかし、メールの振り分けは、メールの差出人や件名によって機械的に行なわれる。メールの差出人のアドレスを見て、takeshi@www.xxxというアドレスから来ていれば、そのメールを「友人」フォルダーに振り分け、business@yyy.zzzというアドレスから来ていれば、そのメールは「会社」フォルダーに振り分ける、というような仕組みになっている。

スパムメールの多くが、機械的に生成されたアドレスから送られるのは、振り分けの機能を逆手にとって、受信したメールが読まれないまま「ゴミ箱」行きにならないようしたものだ。スパムメールの送り手は、次々と新しいアドレスを使って、古いアドレスが「ゴミ箱」行きに指定されても支障がないように工夫している。

スパムメール業者がホットメールやヤフー!のアドレスを取得する時には、いちいち手動で申し込みをしているわけではない。コンピューターのプログラムを使うことで、mmail0001jpからmmail9999jpまでのアドレスを一気に登録してしまうのだ。彼らは、送信できるアドレスがありさえすればよいので、アドレスの文字の組み合わせは気にしない。

紹介した記事は、このような機械的な登録ができなくなるような仕組みを、ホットメールやヤフー!が導入したということについて報じたものだが、わたくしは逆に、スパム業者のアドレスがプログラムによって自動的に登録されていることを知って感心してしまいました。

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