翻訳者、といっても、立派な仕事をなさっている翻訳者の方がたのことではありません。ウェブで手軽に仕事を募集している翻訳者の方がたのことです。
最近、そういう翻訳者の人に仕事を依頼する(≒依頼してしまう)機会がありました。やや専門的で、かなり長文の報告書の翻訳だったもので、引き受けていただいた方には無理を聞いていただいた上、大変なご苦労をおかけしたことと思います。ありがとうございました。
しかし。
できあがってきた英語がひどいです。というか、英語になっていない。日本語の文は「~です」とか「~ます」とか、それぞれの否定形とか過去形とかがあれば構文的には成立しますが、英語の文は主語と動詞がペアにならないと構文的に成立しません。その上で、動詞によっては目的語だの補語だのあるわけで、それぞれがきちんと過不足なく埋まっていないといけません。それから、受動態にしたり、関係節に放り込んだりした場合、主語、目的語、補語が移動した後の空き地はむやみに埋めてはいけないし、逆に、受動態や関係節であっても、埋めるべきところはきちんと埋めてください。
それから、意外だったのが、句読法が分かっていないこと。特に修辞的な目的があるわけではないのに、'and'も'or'もなく、コンマ(,)で文が列挙されていることが多かった。本当に多かった。直してて、うんざりしました。
固めの文書を訳しているというのに、'not'や'will'の短縮形も平気で使ってくるし。
句読法に入るのか微妙なのが、'however'と'but'の使い分け。'but'は接続詞だから、そのまま文をつなげられるけれど、'however'は接続詞ではないので、二つの文をつなぐことはできない。'however'を使うときには、最初の文をフル・ストップで完結させ、二つ目の独立した文の先頭に'however'を(コンマ付きで)置く。'therefore'も同じような使い方ですね。確か。
それから、日本語で明確な接続表現がないからといって、そういうものを英語で表現しないままだと、さっぱり意味不明な文になります。逆に、日本語で「しかし」とか「~だが」とかなっているからといって、'but'とか'however'とか'although'とかを使うと今度はかえって逆効果です。
なぜか、こういう基本的なことが押さえられていない英文がたくさんありました。これでお金がもらってるとしたら(もらい続けられるとしたら)羨ましいと言うべきか。
英語を使うときの鉄則は、自分が間違わないと確信している単語や構文だけを使うこと。それで言いたいことが表現できないとしたら、それは勉強不足が原因なんだから、もっと勉強してください。
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